油溶性(脂溶性)ビタミンC誘導体の特徴・欠点・種類について

ビタミンCを、人の角質層に元々ある皮脂成分と結合させることによって、肌に浸透しやすくしたものが油溶性ビタミンC誘導体です。

脂溶性ビタミンC誘導体の特徴

  • 高濃度でも刺激が少なく、安定性にも優れている
  • 持続性がある
  • 保湿性が高い
  • 水溶性ビタミンC誘導体よりも皮脂膜や角質層への吸収率が高い
  • オイルに馴染みやすい性質からクリームやジェルタイプの化粧品に使用

以上の特徴から、高濃度での肌への刺激が少なく真皮まで浸透します。 ゆっくり浸透するので、表皮ではメラニンの生成を抑制し、真皮ではコラーゲンの生成・新陳代謝を促進します。 敏感肌、乾燥肌、大人の肌トラブル(しみ、しわ、たるみ、大人にきびなど)の改善に有効です。

欠点

  • 水溶性に比べて即効性が無い(持続性がある分、吸収に時間がかかる)
  • 油との結合であるため、皮脂コントロール力は弱いのと、使用感でべたつきを感じることがある

油溶性ビタミンC誘導体の種類

テトラヘキシルデカン酸アスコビル(VC-IP)

皮脂脂肪酸のひとつであるイソパルミチン酸とビタミンCを結合させたもので、皮膚内のエステラーゼという酵素によって、ビタミンCと脂肪酸に分解されます。

分解された後の脂肪酸は、もともと体内にあるものなので、安全です。 脂溶性なのでビタミンC特有の乾燥感がなく刺激もほとんどなく、長時間(48時間程度)皮膚内で効果が持続します。

液状のオイルで使用感も良く、ジェルやクリームに配合されます。 医薬部外品であり、美白、活性酸素消去、コラーゲン合成促進に効果があります。

参考

原料メーカー:日光ケミカルズのサイト
経皮吸収性・安定性を高めた脂溶性ビタミンC誘導体、美白、SOD様活性、活性酸素消去、コラーゲン合成促進、油への溶解性に優れる
https://www.chemical-navi.com/product_search/detail4.html

パルミチン酸アスコルビル(エステルC)

脂肪酸のひとつであるパルミチン酸とビタミンCを結合させたもので、皮膚内の酵素によって、ビタミンCとパルミチン酸に分解されます。

古くから使われているビタミンC誘導体であり、アメリカではエステルCの名前で有名。 原料としては固体であり、使用感が非常に重いのと、酸化しやすく、酸化したものが皮膚障害を起こす可能性が示唆されているため、 あまり使われていない。