APPS (正式名称：パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
リン酸型ビタミンC誘導体（アスコルビン酸2-リン酸エステル、APともいう）にパルミチン酸を付加することにより、親油性を付与した新しい水溶性ビタミンＣ誘導体です。
従来型のビタミンC誘導体の約100倍の浸透力があると言われています。
特性
既存のビタミンC誘導体に比べ、皮膚浸透性に優れており、皮膚のコラーゲン合成を促進し、アンチエイジング（抗シワ）効果が期待できます
APの持つ酸化安定性と生体内のアスコルビン酸放出能をそのまま保持しつつ、しかも親水性を低下させることにより、生体皮膚内部への浸透性、アスコルビン酸のデリバリが向上すると期待されます。
親油性とともに実用上要求される水溶性も兼ね備えています。
変換効率
浸透したAPPSがビタミンCに変換されるには皮膚内で2つの酵素（ホスファターゼ、エステラーゼ）が必要になります。 そのため、変換効率に関してはそれ程よいとはいえません。
浸透しやすく低刺激
水溶性ビタミンC誘導体に親油性を付与したので、即効性がありつつ、浸透しやすく、刺激が少ないといった高機能のビタミンC誘導体です。 イオン導入を行わなくても単純塗布で真皮まで浸透するだけの浸透力があり、同じ真皮まで到達する油溶性ビタミンC誘導体よりも到達時間は早いです。
APPSの弱点
現状、価格が高いことと、原材料の形状は粉状なのですが、直射日光及び、水或いは水分を含む空気との接触を避けるため密閉容器に密封し、冷蔵庫（5℃程度）での保管する、といった管理が必要で、水ベースの処方で配合すると急速に劣化が進むので、配合率も低くなりがちです。
また、2剤式や冷蔵する、短期間で使いきるといった厳密な使用方法が求められます。高濃度にすると、泡立つ場合があります。
